サッカー的な散文【footballshoegazer’s blog】

鹿児島ユナイテッドファンです。東京でベンチャー企業を経営しています。サッカーについて、好き勝手に書こうと思います。

2010-01-01から1年間の記事一覧

アルゼンチンに勝った日

物心ついたころから、アルゼンチンは別格だった。 マラドーナがいて、カニーヒアがいて、バティストゥータがいた。 時代が変わっても、いつでもアルゼンチンのサッカーは、速くて、上手くて、美しくて、強かった。 あの白と水色の縞模様、そこに浮かぶ遠い異…

マリノス対ガンバ 猛暑の夜の戦い

暑い。なんだこの暑さは。死にそうだ。 W杯が終わり、遅れてやってきた五月病に足をすくわれ、 やっと回復したかと思えば、この暑さ。 季節は、そして世の中は目まぐるしく動いてゆく。 神のBSハイビジョンが、未だに毎日W杯のハイライト試合を放映してくれ…

Sense of Wonder

果てしない物語の彼方で、美の結晶が弾けとぶ。 永遠の120分。 まるで神話の世界のように、崇高な雰囲気に包まれたスタジアム。 サッカーを超えたサッカーが、そこでは展開されている。 世界から時が止まる。 不思議な感覚が、ピッチに降り立つ。 それは…

すべてが終わる前に

なんとか三位決定戦をやっているバーを見つけて、 仲の良い友達と、楽しい夜の果てに、試合を観戦する。 いや、仮にも、ワールドカップの3位決定戦なんだよ。 放映しないのって、絶対もう本当、意味不明だよね。 頼みますよ。 涼し気な幸福感と、感傷的な気…

王国の敗北

今回のブラジルはつまらないと言われてきた。 しかし、強いとも。 僕はそんなにブラジルが好きではないが、 それでも、今回ばかしは、ブラジルが優勝すると予想していた。 守備重視で、監督がドゥンガで、 ロナウジーニョを外すほどの本気度。 リアリズムを…

府抜けたスリーライオンズ England Fallen Over

早くも実現したイングランド対ドイツ 因縁対決 完全な期待はずれ。 イギリス国内大荒れだろう。 フーリガンがパブで大暴れ的な。 もちろん不運もあった。 幻のゴール バーに阻まれたシュート だが、1 - 4 での完敗。 イングランドファン(元)にとっては、失望…

青春の輝き

青の革命は起こった! 生きててよかった! 素晴らしすぎる! これ以上何を望むのか。 歓喜に沸き返る日本列島の朝。 真っ青な青空 遥か遠い南アフリカの空から、どこまでも。 遠く続いてゆく、透き通るような笑顔 なんてこった。 夢じゃないかと疑ってしまう…

God Save The Queen

試合前は、この記事のタイトルが「No Future UK」になりそうな予感がしていたが、 見事に神はイングランドを救いたもうた。 やはり、第三戦は面白い。 緊張感に包まれたピッチ上の空気が、電波に乗ってこちらにまで伝わってくる。 デフォーのストライカーと…

フランスの6月革命に盛大な拍手を!

フランスには楽しませてもらった。 ドメニクという偉大な映画監督のもと、23人の役者達、スタッフ、協会幹部が一同に集って製作された秀逸な喜劇。 構想4年、いや、監督就任から含めると6年、国家の威信をかけて作られた作品だけあって、 驚き(準優勝)…

欧州危機と格差世界

ヨーロッパに何が起こっているのか。 イングランド、イタリアの不振、 ドイツ、スペインのまさかの敗北。 フランスは既にほぼ敗退決定、 追い討ちをかけるかのような、アネルカの追放とチーム崩壊。 笑ってしまうような惨状だ。 また、初めてワールドカップ…

青の革命と、横たわる日常

目黒川沿いの並木道を自転車で走る。 生温くとも心地よさをくれる風、街、人々。 そんな普段見慣れた風景が、いつもとは違ってみえる。 そわそわする心を押さえきれない。 ゆるゆるのはずの土曜日の午後の合間を、濃密な時がゆったりと流れてゆく。 雨が降る…

メッシ イン ザ スカイ ウィズ ダイアモンド

アルゼンチン - 韓国 雲の上で遊ぶ、アルゼンチンの選手達。 太陽の尾を引いて流れる、優美な時間。 メッシの背中には羽が生えていた。 蝶のように舞い、蜂のように刺す。 ピッチは、インスピレーションの泉となって、 新しい即興芸術の舞台と化す。 メッシ…

波乱 〜 コペルニクス的サッカー 〜

4年に一度、6月、地球は太陽の周りを公転するのをやめ、 サッカーボールを中心に回る。 地球の磁場が狂って、試合というプログラミングにバグが発生した。 波乱である。 ハイジとペーターとロッテンマイアーさんとヤギのユキちゃんの国、スイスが、 無敵艦…

日本サッカーの始まり 日本 - カメルーン

長かった。 十何年もずっと代表戦をみてきて、こんなにアツく感動したのは初めてだ。 とてつもないカタルシス。 90分間のエクスタシー。 誇らしい。 日本のA代表が、チームとして一つになっていた。 ”サムライブルー(笑)”が、”サムライ”になった瞬間でも…

壮大なクライマックス ~ ガーナ対セルビア ~

ガーナ対セルビア 1-0でガーナ。 震えるほどの緊張感に満ちた熱い静寂、それが一気に弾ける壮大なクライマックス。 壮絶な試合。 全身の鳥肌が立つようなゲームを久々にみた。 勝ちたい、1点を取りたいという強い気持ちが、 グラウンドから湯気のように立…

遠い国の遠い香りに思いを馳せながら

アルジェリア - スロベニア 0 - 1 渋すぎる。 午後8時半からの、マニアックなカード。 だいたいどこ、どんな国なんだ。 と調べてみると、なるほど、国に歴史あり、文化ありである。 アルジェリアは実は地中海に面していたようだ。 しかも国土がかなりでかい…

アメリカ人とイングランド人

アメリカ人の友達から、「ワールドカップパーティを開くから来いよ」と言われたので、 適当に友達を誘って参加してきた。 その友人宅には、ニューキャッスルからやってきたイギリス人もいて、 2人の正反対の反応がおもろい。 試合内容は、素晴らしかった。 …

開幕戦 南アフリカ - メキシコ

「美しいパスワークのメキシコと、躍動感溢れるカウンターの南アフリカ」 1対1のドロー 爽快な開幕戦。 スペクタクルな舞台としてのサッカーを久しぶりに観た。 緊張感と、称揚感と、喧噪に満ちたスタジアム。 「ブブゼラ」と呼ばれる楽器の不可思議なドロ…

ワールドカップの見る夢

「やってこいやってこい、我を忘れるような時」 アルチュール・ランボー 頭の中では、サッカーボールがぐるぐると回っている。 世界がミラーボールに照らされて、くるくると宙を旋回する。 今宵も酔いが回る。 ピッチを駆け抜けるリズム。 窓辺に夏が降り立…

日本対香港戦と、空気の研究

前回の中国戦後の遠藤曰く 「日本人の悪いくせが出た」 生殺しにあったかのようなつまらないスコアレスドローの2試合。 良くも悪くも日本人は空気に敏感だ。 その意味で、サッカー日本代表は日本社会を反映しているともいえる。 ルールやコンセプトを忠実に…