サッカー的な散文【footballshoegazer’s blog】

鹿児島ユナイテッドファンです。東京でベンチャー企業を経営しています。サッカーについて、好き勝手に書こうと思います。

ワールドカップの見る夢

「やってこいやってこい、我を忘れるような時」

         アルチュール・ランボー 

頭の中では、サッカーボールがぐるぐると回っている。

世界がミラーボールに照らされて、くるくると宙を旋回する。

今宵も酔いが回る。

ピッチを駆け抜けるリズム。

窓辺に夏が降り立つ。

お祭りの始まり。

パーティの始まり。

選手たちの足音が、すぐそこまで聴こえる。

2010年という、今。

2010年という、未来の思い出。

21世紀初頭に生きる僕ら、時代の風が吹く。

フェスティバルの予感で、街は溢れ返る。

この世の中で素敵なもの。

酒、サッカー、音楽、テレビ、バーティ、女の子。

時を超えて、空を超えて、南アフリカの地で。

アフロビートが、身体を熱くする。

熱にうなされて、南半球の空を舞う、大鴉の夢をみる。

グラスの中で、ビールの泡が弾け飛ぶ。

黄金に輝く、永遠の日々。

夏が街に舞い降りる。

近所の親父が騒ぎだす。

キックオフの笛を待つ。サッカーボールが勢いよく飛んでゆく。

地球が跳ねる。

太陽系を超え、天の川を下り、銀河を超え、光よりも速く。

僕は、アンドロメダ星雲のソファに腰掛けて、

ポテトチップを食べながら、テレビを観ているのだろう。

ボールの紡ぎだす奇跡のメロディに、耳を澄ませたりなんかしながら。

エメラルドのピッチで、踊る。

歓喜の季節の到来。

セカイを超える何か。

ジダイを超える何か。

ワタシを超える何か。

祝祭が始まる。

ワールドカップが始まる。