瞬間と永遠
いつの日にかみんなどこかへ消えてしまう気がする
- ブランキージェットシティ 水色-
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人生って何なんだろうなぁと思う。
今回のW杯は、梅雨と夏の真ん中で溺れて、不思議な夢をみているかのようだった。
王国は崩壊し、滅亡していった。
かつてのローマや、アテナイのように。
神々しさすら感じられる、完璧な敗北であった。
それは、ギリシャ神話のように、悲劇であった。
悲劇を超えて惨劇とも形容されている。
それは大きなカタルシスとなって、サッカー人を飲み込んだ。
あとかたもなく、サッカー観が崩れ去っていく。
ピッチの上では、なんだって起こりうるのだ。
フットボールのもつ多彩な表現とその物語性の前で、人はただ、なす術がない。
サッカーの神話がリアルタイムで更新されていく。
歴史が更新されていくのを、コカ・コーラとポテトチップを食べながら、朝方のテレビで眺めている。
SNSで、遠い友達とコミュニケーションをとる。
すれ違うだけの人たち。
私がブログを更新しているのも、何故なのか。
歴史は作られていく。
神話が紡がれていく瞬間に立ち会う、不思議な感覚。
私はただ、その瞬間を、2014年の夏の空に閉じ込めたいだけなのだ。
オレンジ色に染まった夏の夕暮れの向こう側で、同じ時代を生きる、全世界の人々と共に、最後のキックオフの笛を待っている。