王国がもたらされる時
天上のお方さま、あなたの御名がどこまでも清められ、あなたの王国が私たちにもたらされますように。私たちの多くの罪をお許しください。私たちのささやかな歩みにあなたの祝福をお与え下さい。アーメン。
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彼の地で、W杯が幕を開けた。
3-1でブラジルがクロアチアを下す。
王国は強かった。
睡魔をさっそうとアドレナリンが拭い去り、お祭りの興奮が日常を葬りさる。
本気のぶつかり合いはやっぱり面白い。
しばらく忘れていたけど、サッカーとはこういうものだった。
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さて、この試合の論点の一つは、間違いなく審判である。
開始前から注目を浴びた西村さん。
理想的な試合は、審判を意識しない試合だが、同時に審判も試合の一部である。
それを強烈に意識させられた試合だった。
前半、クロアチアの左、オリッチが走り回っていたサイドでのスローインをめぐり、スコラーリが2度猛抗議していた。
前半は、比較的ブラジルに不利な判定が多かった。
審判との心理戦。
プレーの一瞬一瞬で、見えない情報がめまぐるしく書き換えられていく。
ホームのブーイングや歓声も含め、独特の空気感が醸成され、エントロピーが満ちてゆき。
フレッジのあれは、誤審で、それはクロアチアにとっても西村さんにとっても不運であったが、しかたのないことのような気がする。
起こってしまったことは、起こってしまったことであり、過去形であり、それはもう誰にもどうにもできないことなのだ。
フレッジにはそこまで注目していなかったが、あの狡猾なプレーも含めて、素晴らしかった。
そして、クロアチア、美しい90年代のマンチェスターユナイテッドのような4-4-2。
初戦を落としたチームは突破できないというが、2位通過はかなりありえるのではないか。
刺激的で、黙示録的な開幕戦だった。